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広島で会った女

出張で広島へやって来た。

出張は、大抵短くて2泊3日、長ければ10日前後。

今回は1周間だからちょっと長い。

早速そこの営業所の所長に挨拶、夜は高級店へ二人で飲みへ。

何時も思うのだが、この飲み代はこっそり会社の経費で落とされる。いや、こっそりではなく、別の形で堂々と。

昔は取引先に支払代金上乗せでこの飲み代を付け回していたのだが、今は所長の給料加算ということにしている。

社内営業は原則厳禁なのだが、相手との頻度にもよるが、中々厳禁とはいうかないようだ。

ところで、翌日から夜の過ごし方に困るが、やはりつい飲みに出てしまう。

1回につき最低5万は持って出るから、出張の度に赤字になる。まあ毎回2~3万残すようにはしているのだが。

今回は頑張って宿舎へ帰った。夜長何をするでもなく、ゴロゴロしていた。

毎回専門書は持って出るも、何時も目を通す事はない。

テレビはニュース以外ほとんど見ないし、賭け事は嫌い。

やっぱりいつも思うのだが、出張では落ち着いて本などは読めなく、何か心が浮ついてしまう。初めてくる土地なら尚更。

そんな訳で、仕方なく雑誌を見るでもなく、眺めていた。

そんな雑誌に出会い系の広告があった。広島まで来てやるか?と思ったが、出会い系なんて地元登録者が一体どれほどのものなのか、ちょっと興味を持ったが、昨夜の飲み疲れか、その内そのまま眠ってしまった。

翌日、仕事は順調に片付き、午後4時には終了してしまった。

事務所には誰も出払っていたので、事務員と二人になってしまった。

年齢は23歳。コンタクトのせいか、目がキラキラしている。

豊満な体つきで、男だったら直ぐ飛びついてしまような感じである。おそらく本人も男性の視線に気づいているだろう。

電話では何度も話しているので、今回初対面でも会話にぎこちなさは全くない。

ちょっとからかってやろうと思い、「今晩ヒマ?」と聞いたら、「2時間位なら。」と言うので、先に宿舎へ帰った。

午後6時半に落ち合い、予め下調べをしていた居酒屋に入った。

酒も入ったところで、「彼氏は?」と聞くと、「まあ世間並みに。」と変な言い方をした。

今度は、「過去には?」と聞くと、「う~ん、15~6人位かな?」とタメ口になった。

居酒屋での会話は、終始過去別れた彼氏の悪口だった。とにかく、別れた男は皆しつこかったそうだ。

話を聞いている内に段々萎えた。

時計を見ると、1時間半は経過していたので、タクシーを呼んで帰ろうと思った。

会計を済ませ、別れようとしたら、「まだ飲み足りない。」と言う。

顔を見ると、例のキラキラした目で、しかも潤んでいたから、一瞬で悟った。

一言も交わさず、タクシーを拾い、ホテルへ向かった。

部屋へ入ると、いきなりシャワーを浴び始めた。

仕方がないので、ビールを飲んで待っていると、バスタオル1枚巻いて横に座ってきた。

後はお決まりのコース。

何の感慨もなかった。彼女も多分同じ気持だろう。

時計を見ると、朝の6時。彼女を起こし、身支度を整える。

そこで人生の無常を感じた。

「出張が終われば、言葉は交わしても、もう誘うことはないだろう。」と。

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