出会い・恋愛体験他

新潟の女

新潟の、とある街に出張した。

それは3月の初旬、意外と温かいが、かと言って雪は道路にこそないものの、山はもちろん、ちょっと車を走らせれば驚くほどの残雪がある。

車を走らせていると、菓子製造工場の前に販売所があった。

車を止めて中を除くと、ちょっと見た目の悪い、おそらく仕損品であろう菓子が安く売られていた。

これは良いと思い、早速「お土産」として購入した。

店員はまだ若く、肌が白く、身体が華奢だった。感じも良く上機嫌でそこを後にした。

午後5時に仕事が一段落したので、夜の行動を想定して、○○市の繁華街をブラブラした。

居酒屋のネット情報はあまり当てにならないので、適当にこの目で店舗の雰囲気などを想定して見て廻った。

めぼしいところに電話を入れ予約した。

午後6時、少し早かったが店内へと足を運んだ。

小じんまりとした、雰囲気の良い海鮮料理中心の店で悪くはない。

早速カウンターに座ると、日本酒を注文した。ビールはこういう店ではほとんど飲んだことがない。

海鮮料理に合うのはやはり日本酒だからだ。

日本酒は一番安いのを、しかも冷で。要は酔いさえすれば良いから。

ワインのような高い日本酒はたまには良いが、普段は飲まない。

店で出されるグラスはいつも小さいので、大きやつに替えてもらっている。

4杯位開けただろうか、店内は混雑しているが、さらにもう一組入ってきた。

それまで人が入っても、全然入り口には目を向けなかったが、ここで初めて何気なく目を向けた。

よく見ると、小上がりが予約席になっているようで、そこへ女性が3人入っていった。

その中の一人に、今日出会った例の店員の娘がいた。

ふーんと思いながら、今度は日本酒から芋焼酎のストレートにした。

段々飲んでいる内に、気が付くとあの店員に喋りかけていた。

何時も失敗するのだが、今夜は再会が嬉しくなって「病気」が出たようだ。

他の二人は迷惑そうな顔をしていたかもしれないが、酒が入って無頓着の自分には気にしなかった。

それでもバツが悪いとようやく気がついて、「ここの勘定は奢り。」というと、現金なもので、女性達の顔が一瞬でパーっと明るくなった。

その上、急に3人が元気よく喋り始めた。お金の力恐るべし。

2時間位いただろうか、勘定を済ませると、4人でそこを後にし、少々足取りがフラつきつつも彼女らが知っているスナックへと連れ立った。

彼女達は次から次へとカラオケで歌っていたようだったが、カラオケに興味のない自分は一人で黙々とジントニックを飲んでいた。

ジンにはこだわりがあったが、ここでは一般的な安物しか置いてない。ライムも生ではなく加工したものだったが、それでも次々とグラスを空けた。

何時間が経ったのだろう。気が付くと、布団の中に入っていた。

真っ暗なので自分がどこにいるかは分からない。

回らない頭で時計を見ると、午前3時過ぎ。

慌てて薄暗い暗闇の中で辺りを見回すと、横に彼女が一人寝ていた。そう、あの店員だ。

頭を整理しようとするが、一体何が起きたのか記憶がほとんどなくなっている。スナックをどうやって出たか、その辺の記憶がどうしても思い出せない。

暫く彼女の寝姿を見ていると、だんだん不埒な欲望が頭をもたげてきた。

不意にキスをすると、最初は抵抗しようとしていたが、段々その手の力は弱まった。

珍しく、軽微な口臭と体臭がある女だった。

それは決して嫌なものではなく、後日分かったことだが、その匂いは接すれば接するほど男を惹きつけて止まない不思議な匂いだ。

出張が終わると、毎週土日は4時間半から五時間かけて彼女に会いに行った。

そういう生活が1ヶ月続くと、あっさり終焉を向かえた。

本人からの連絡はなく、友達からの電話だった。「良い友達で別れましょう。」と。

こういう事はよくあることなので、まあ自分にも悪いところがあると思い、あっさり引き下がった。

しかし、いい女だったと多少の後悔の念も残った。

たった1ヶ月だったが、習慣とは恐ろしいもので、週末になると人肌が恋しくなる。

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