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仙台から来た女

仙台から来た女。

新しく職場に入ってきたこの子は23歳。大学を出て1年はプー子だったそうな。

とは言っても近所の店で事務の補助をしていたらしい。

そんな彼女に興味を持った。

173cmの高身長で、ルックスも良く、高校時代バスケットボールをやっていたせいか、体は引き締まっている。

声は身長に反して、高く可愛らしい。

そんな彼女が、あるグループの飲み会で偶然隣の席になった。

今日は何時もより饒舌で、笑い声も普段より1オクターブ高い気がする。

そんな矢先、何とテーブルの下で手をしっかり繋いできた。

自分ではどうしていいか分からず、そのままにしておいた。

それでも手の握り方に強弱をつけるものだから、美味しい酒や料理も喉を通らなくなった。

嬉しい半面ではあるが。

そして、その夜は何事もなく終わり、周りにいた皆も誰一人として気づいていないようだった。

その翌日から、職場では異変が起きていた。

彼女とは用がない限り口をきいてもらえなくなったことだ。

ひょっとして昨日の晩、何か悪いことでもしたのかと手を胸に当てて考えてはみるものの、思い当たるフシはない。

そうこうする内に、翌週末に彼女から職場で帰ろうとしていたら、周りの目も気にせず、「話があるのでつきあって下さい」と切りだされた。

あわててしまった。彼女に返答する前に、周囲に目をやった。幸い誰も気づいている様子はなかった。

近くの喫茶店に入るが、一言も喋らない。下を向いたまま。仕方がないから、要件を尋ねると、「お腹が空いた」と一言。

やっぱり女は理解し難い生き物だなとつくづく思う。

仕方がないので(嬉しくはあるが)、居酒屋へ連れて行った。

居酒屋へ着くと、もう先ほどの様子とは180度打って変わって、どことなくウキウキしているような感じだった。

料理はテーブルに乗りきらないほどドンドン注文するし、酒も次から次へと注文する。

あっけにとられながらも、こっちも負けじと酒だけは普段より多く飲んだ。

その間、話があると言っていたのに、その話は出ず、他愛もない話ばかり。

結局、居酒屋を出て二人で歩きながら当てもなく歩き続けた。酔い覚ましの意味もあって。

ふと気づくと、ホテル街にいた。別に計算したわけでもないのだが。

通り過ぎようとすると、手を引っ張られ、ホテルに入ってしまった。

こうなったらこっちの思い通りにしようと、後は想像の通り。

彼女はこちらが妻帯者であるにもかかわらず、後悔はしていないだろうかと思ったが、口には出せなく、聞けなかった。

それから、1年3ヶ月、月日が過ぎ去った。

その間、悪いことに男性や女性の同僚に車で一緒にいるところを見られた事もあった。

同僚の女性は元々口が固く、男性も笑って済ませるような性格で何とか平穏無事に過ごせた事は幸いであった。

突然、仙台の地元に変えるということで、自分には訳が分からなかった。

しかも、その間何にも相談なく帰ってしまった。

送別会も遠慮したらしい。

結局、不倫の行き着くところは、どこかで清算しなければとお互い分かっていながらズルズルきてしまった事に問題があるのはもちろんだが。

その後元気に暮らしているか気になりつつも、電話はしなかった。

ある日、突然思いついて仙台に行った。何の連絡もなく、思いつきだった。初秋の温かい日だった。

彼女に電話すると、職場にいるから6時頃また電話するというので、まだ時間はたっぷりあったのが街をブラブラし、時間を潰した。

6時きっかりに電話があり、それから間もなく彼女が来た。

快活そうな表情は、以前と全く変わっていなかったが、髪型が変わったせいか、少し大人っぽくなったようだ。

近況を聞くと、あれから直ぐボーイフレンドもでき、日々楽しい毎日を送っているとのこと。

二人とも過去のことは一切交わさず、他愛のない話だけで1時間ほどで別れた。

ちょっぴり未練が残ったが、ホテルへ帰り、ほろ苦い思い出を酒の肴に、酔うほど酒を飲んだ。

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